続・すみっこの記

富山生まれ下請けIT育ちのフリーライターが布団の中からお送りします

初夏の嵐がもたらしたもの

5月6日、関東には初夏の嵐が吹き荒れました。つくば市で竜巻が発生したり、雹が降った地域もあったとか。

とはいえ、私の住んでいる地域は風こそあるものの、朝から大変良い天気でした。雨が降り出すのは夕方とのことだったので、私は毛布を洗ってベランダに干し、「ちょっと風が強いな~」と思いながらも昼食をとりに出かけました。

そう、出かけてしまったのです……。

嵐の爪痕

私がカフェでノマドを気取ってネットブックを開いたり、

本屋に寄ったりドラッグストアに寄ったりしているうちに、風はどんどん強くなってきました。家に近づく頃にはどう見ても雨を降らせる気満々の暗雲が頭上の空に押し寄せ、私の髪をばっさばっさと振り乱す風にも雨のにおいが混ざっていました。

急き立てられるように帰宅し、毛布を取り込もうと窓を開けた私の目に入ったのは、片方が掛け具から外れて斜めになった物干し竿でした。

(∵)

こんな表情になりながら、私は窓から身を乗り出してそこに毛布がないことを確かめました。慌てて部屋から出、住んでいる建物の各階から周囲を見渡して探していると、

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ありました。

小柄な私は途方に暮れましたが、今にも雨が降り出しそうな空模様です、迷っている暇はありません。毛布が落下したお宅を訪ね、そちらの奥様に事情を話して脚立と棒をお借りし、屋根の上の毛布を回収しようと試みたのです。

しかし圧倒的に足りない身長、そして腕の長さ。

私が毛布を回収しあぐねているうちに雷鳴が轟き、雨が激しく降り始めました。濡れ鼠となった私は撤退を余儀なくされました。
こんな顔で。

(´;ω;`)

嵐が教えてくれたもの

程なく雷雲は去り、雨が上がりました。
雨が降る前であれば再び強風に吹き飛ばされることも期待できたでしょうが、雨水をたっぷり吸った毛布を吹き飛ばすには台風か竜巻でもないと無理でしょう。
おろおろしながら部屋を出て、毛布の見えるところまで戻った私が目にしたのは、先ほど応対してくださった奥様が、屋根の上に出ていく姿でした。

Σ(゚д゚)

奥様は注意深く屋根の上を歩き、頭上にいる私の姿に気づいて「これのことー?」と毛布を指差しました。ありがたさと申し訳なさで首をぶんぶん縦に振る私。ああ、あんなところに登らせてしまって、万が一怪我でもされたらどうしよう?!
奥様ははらはらしている私の目の前で毛布を掴み上げると「あら重たいわね、落としても大丈夫かしら?」とおっしゃいました。「大丈夫です!」と叫びながら踵を返し、階段を駆け下りて軒下まで走って行った私に向かって「もう一度洗わないとダメよ~」と笑いながら毛布を放ってくださる奥様。受けとめた毛布は案の定水を吸って重たくなっていました。
再び屋根の見えるところまで戻った私は奥様がお家の中に戻っていくのを見届け、繰り返し「ありがとうございました」「ご迷惑をおかけしました」と頭を下げ続けたのでした。

これが下町の温かさか

以前住んでいた場所から、下町然とした今の街に移ってきてかれこれ半年以上経ちます。実家を離れてひとり暮らしをしていると、昔からその街で暮らす人たちの輪にはなかなか加われません。そうした中で初夏の嵐は、東京の下町の温かさを私に教えてくれたのでした。
奥様、本当にありがとうございました。私も他の人に親切にするよう心がけたいと思います。

 

それでは、また。

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