続・すみっこの記

富山生まれ下請けIT育ちのフリーライターが布団の中からお送りします

【ヱヴァンゲリヲン:Q】「エヴァ」というコンテンツの社会現象化とそれに対する「エヴァ」による裏切り

TVから、Twitterから、Pixivから浴びせられる「Q」のネタバレに耐えかねて、帰省から戻った翌日朝一の上映を見に行ったゆのきです。ひとりで。わざわざ前日に「序」「破」のDVDを見直して。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q公式サイト

「エヴァ」の社会現象化

社会現象は本当に社会現象なのだろうか

ところで私は「社会現象」という言葉が嫌いです。日本社会はルーツの異なる1億2千万人の在住者と、亜寒帯から亜熱帯まで様々な気候と風土文化が組み合わさって成り立っています。山手線の内側やその周辺のみの流行だけを取り上げて十把一絡げに「社会現象だ」などとのたまうマスコミには全く反吐が出ます。

そう、「社会現象」と呼ばれる現象は往々にして山手線の内側やその周辺での流行にすぎないことが多いです。かつて飛騨山脈の向こうに住んでいた私は「社会現象」と呼ばれる東京の流行を、対岸の火事を眺めるように見ていました。

ここまで前置き。

「エヴァ」商法の成立

さて、今回封切りを迎えた「ヱヴァンゲリヲン:Q」ですが、山手線の内側では様々なタイアップが行われました。「序」「破」「Q」と続けてエンドロールを見てみると、プロモーションに加わった企業がどんどんどんどん増えていったのがわかります。

ゴス・パンク・ロリータの聖地ともいえる新宿マルイワンに、履きやすいパンプスを履いた葛城ミサトや男を上げるスーツを着た加持リョウジのポップが掲示されていたときは、「有楽町マルイとマルイメンでやれ!さもなくばやるな!!」と憤りすら覚えました。

何でもかんでもエヴァキャラを起用すれば売れると思っている企業。というか、「乗らなきゃでしょ、このビッグウェーブに!」とばかりにエヴァ商法に乗っかってしまっている。そして実際に成立してしまうエヴァ商法。

小学生時代にエヴァを見、自由帳に綾波レイの模写をしまくった私はこう問わずにおれません。

「エヴァってこんなおおっぴらに持ち上げられるコンテンツだったっけ…‥?」

【この先、ヱヴァンゲリヲン:Qのネタバレを含みます】

 

 

 

 

 

 

「エヴァ」による社会現象への「裏切り」

正直言って「どうしてこうなった」

今回「Q」の封切りに合わせて「序」「破」が金曜ロードショーで放映されましたが、旧作を知らずそれだけを見て「Q」を見に行った人には「ご愁傷様です」と両手を合わせたい気分になりました。

いやもうホンマ意味が分かれへん。

<!ーー ここからネタバレ ーー>

「破」で「行きなさいシンジくん!」とか言ってたミサトさんのあの豹変っぷり。「エヴァの呪いよ」とか言っちゃうアスカ。うんアスカ無事だったんだねよかった。6号機はどこから出てきたんだよ。渚カヲルのホモっぷりは健在で正直私は「なんで私朝からイチャつくホモカップルを見ているんだろう」というお腹いっぱい感で半眼になっていました。それにしても「槍でやりなおす」ってシリアスなシーンでダジャレは勘弁して下さいよシンジさん。

いろんな人が言ってたけど「Q」は「序」「破」の前にあたる話なんじゃないかという説。これは成る程と思わないでもない。アスカの体の損傷具合を見て私は「このアスカは旧劇でシンジに『気持ち悪い』と言ったアスカなんじゃないか」と思いました。そう考えるとアスカが「お姫様」と呼ばれるのも、「私のことは助けてくれないのね」と彼女らしくない発言をしたのもわかる気がする。そして「序」「破」自体が旧劇の続きだと考えると海が赤いのも納得できる。

まあとにかくわけがわからん。でもかつて庵野監督が「エヴァは繰り返しの物語です」とか言ってたし、次作のタイトル(釣りの可能性が高すぎる)はどう見ても音楽記号の「リピート」です。いやあきっとそういうことなのでしょう。ああすげぇエヴァらしいわ。

<!ーー ここまでネタバレ ーー>

そうだ、エヴァってこういうコンテンツだったわ

映画を見たあと私の心中は「憤慨」→「考察」→「納得」→「悟り」というふうに変化していきました。

最初はストーリーの唐突さ(と渚カヲルの安定のホモ)に憤っていました。つまらないと思っていました。しかし他人の考察を読み、自分でも考察を重ねるうちに「とにかく次回作だ」というふうに納得がいきました。そうしてようやく悟ったのです。

「そうだ、エヴァってこんなコンテンツだったわ。一見さんお断りの、視聴者を舐めてかかったような超展開の嵐のようなコンテンツだったわ。エヴァは私達の知っているエヴァに戻ってきたんだ。」

そこには「社会現象」なんて言葉を鼻で笑う、庵野監督が魂から削りだしたコンテンツがありました。

 

ということで次回作も楽しみにしています。ちょっと旧劇借りてこないと……

それでは、次回もサービスサービス☆

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