読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

続・すみっこの記

富山生まれ下請けIT育ちのフリーライターが布団の中からお送りします

腐女子は電子書籍の夢を見るか?

「すみっこの記」廃墟

先日「#ぶっちゃけ電子書籍どうなの」というハッシュタグが私のTL上を占拠する、という事態が起こりました。

それに対して私の脳裏にぱっと浮かんだのは、レンタルスペースに積まれた自分の同人誌の在庫と、同人誌即売会ガラケーを使っていた同人友達の姿です。

 

 

今回は「腐女子の間に電子書籍は広まるか」ということについて考えたいと思います。あえて「女オタク」でなく「腐女子」としたのは、私自身「腐女子」以外の女オタクと接点を持った経験が少ないからです。

腐女子の電子書籍対応端末普及率

腐女子は一体どれだけが電子書籍に対応した端末――スマートフォンやタブレット――を所有しているのでしょうか。正確なデータはわかりませんが、私の周りの腐女子の3割以上はガラケーを使用しており、9割は7インチ以上のタブレットを所有していないように思えます。

腐女子がいまだガラケーを持ち続けるのはなぜでしょうか。考えられる理由のひとつとして、「公式配信コンテンツが未だスマートフォンに対応していない」というケースがあります。「着ボイス」「着せ替え」といった公式配信コンテンツは月額315円を支払っておつりがくるような「燃料」です。これを理由にガラケーを持ち続ける腐女子が実際身近にいます。

ガジェット沼に浸っていると忘れてしまいそうになりますが、そもそも社会を広く見た場合、まだまだガラケーの所有率は高く、タブレットの所有率は低いはずです。女「オタク」だからといって一般人に比べてデジタルリテラシーが高いかというと、そうでもないと思います。

女性向け同人誌が電子化される日はいつか

私もいち腐女子として同人誌を発行していますが、女性向けジャンルで同人誌が電子化される日はまだまだ遠いように感じます。

手に取りやすさ:紙媒体>(超えられない壁)>電子媒体

2011年冬のコミックマーケットで新刊を落とした私はとある実験をしてみました。落とした新刊を書いた分だけPDF・HTML化してインターネット上で配信し、URL・QRコードを記載したポストカードを配布する、というものです。アクセス解析の結果、アクセス数は実際に配布したポストカードの枚数の1割にも満たず、さらにPDFのダウンロード数は1件もない、という結果に終わりました。

この実験ですが、私だからこの結果になったのであって、人気作家さんならもっと違う結果にもなったのかもしれません。でも人気作家さんは落とした本を無料配信するより「準備号」として出すような気がします。コンスタントに出し続けることがある意味人気作家の条件だと思うので。

結果を見て考えてみました。この場合、自分が手に取る側だったらどうしたか。

まず間違いなくアクセスしません。何故ならわざわざアクセスしなくても他のサークルさんの本が手を伸ばせばそこにあるからです。これがものすごく取り扱いサークル数の少ないマイナージャンルだったら餓えて渇いて読みに行ったでしょうが、私が活動するジャンルはどちらかというと規模が大きい方です。

「もしかしたら完全版が出るかもしれないしねー」。そんな感じで私が配布したポストカードはチラシの下に埋もれたことでしょう。切ない。

電子書籍の頒布の難しさ

電子書籍での頒布が広がりにくいもうひとつの理由として、頒布が難しいという点があります。

電子書籍での頒布方法として思いついたのは以下の4つです。

  • CD-R・microSDカード等の記憶媒体を頒布する
  • メールに作品を添付する
  • ウェブ上に作品をアップロードし、ダウンロードできるようにする
  • 同人誌ダウンロードサービスを利用する
CD-R・microSDカード等の記憶媒体を頒布する

同人誌即売会で頒布する場合これが一番手っ取り早い気がします。CD-Rなら1枚あたりの製作費はパッケージ印刷費も含めて300円~400円といったところでしょうか。

Victor CD-R 48倍速 ワイドホワイトプリンタブル 30枚 [CD-R80SPF30]

Victor CD-R 48倍速 ワイドホワイトプリンタブル 30枚 [CD-R80SPF30]

ただこの方法だと100ページを越える本と16ページの本との間に価格に差をつけにくい。個人的に男性向けと女性向けの一番大きな差は「価格設定」だと思っていて、女性向けは価格設定がシビアな気がします。試しに「とらのあな」でランキング上位を確認してみたら男性向けはB5サイズ32ページで600~700円、女性向けは28ページで400円~500円くらいでした。

男性向けは「作家買い」が多い一方で女性向けは「カップリング買い」が多いので、男性向けは刷ってる部数が女性向けよりかなり多い(=1冊あたりの製作費が安い)と思います。女性向けのランキング上位というとほとんどが、去年から販売禁止騒ぎが激しいあのバスケ漫画の二次創作なので、サークル側も刷る数を控え目にしてるんじゃないかな、と。

メールに作品を添付する

自分で通信販売処理をする場合これが一番楽です。指定した銀行口座に代金振り込んでもらってメールを返送する形式です。ただこれも上で述べた価格設定の問題が出てきます。200円くらいまでの本だと振り込み手数料の方が高いんですよね。サークル側として心苦しいものがあります。

ウェブ上に作品をアップロードし、ダウンロードできるようにする

この方法初期投資がけっこうかかりそうです。レンタルサーバー借りてシリアル番号とかで識別してダウンロード可能にするシステム作れればいいんですけど、専業同人でもないとそこまでやるのはしんどいものがあります。

同人誌ダウンロードサービスを利用する

自前でやるのは難しいので、代行サービスを利用するという手があります。これの大手というとDLsite.comでしょうか。

DLsite: 同人誌、同人ゲームからPCソフト、電子書籍まで二次元総合ダウンロードショップ | DLsite.com 総合トップページ
同人誌・同人ゲーム・PCソフト・電子書籍など人目を気にせずPCやスマートフォンでお手軽ダウンロード!! ...

ここだとプロテクトやスマホ対応もしてくれていて便利です。ただサークル側が受け取る金額を100円にするには価格設定を300円にしなければいけないので、サービス側で結構マージンが抜かれます。

 

何だか長々と書いてきましたが今までの記事でも屈指のグダグダさだと思います。いろいろ考えてみましたが私の本買ってくれてる人たちはみんな紙の方を欲しがる気がするので考えるだけ無駄な気がしてきた。価格設定とか新刊出すたびに頒布前日の深夜まで考え込んでるけどこれがベスト、ってのはなかなかないです。即売会参加費と交通費含めたらぶっちぎり赤ですし。新刊を出せば出すほど損をする。ああもう疲れた……。

結論:いい方法があったら誰か教えてください。

それでは、また。

track feed すみっこの記